個人事業主の税理士費用の相場は、月額顧問料が1万円〜2万円、確定申告のスポット依頼は10万円〜20万円程度です。ただし売上や依頼業務の範囲によって費用も変わるため、適切な相場や費用感がイメージしにくいという方も多いかもしれません。以下のオプションでは、実際の税理士の参考価格をもとに、個人事業主が税理士に業務を依頼したときの費用相場や依頼費用を左右する要素、費用を抑える方法を詳しく解説します。
個人事業主の税理士費用相場
個人事業主が税理士に依頼した際の費用は「1万円〜30万円」程度が相場です。税理士へ依頼する業務範囲や顧問契約の有無などの関係で、金額が大きく変動します。
業務内容 | 顧問契約 | 費用例 |
---|---|---|
税務顧問(※1)決算・確定申告 | あり | 24万円/年※確定申告・決算代行費用含む |
税務顧問30分程度の月1面談 | あり | 10万円/年面談時間超過で+8000円/30分 |
税務顧問決算・確定申告会社設立サポート | あり | 33万円/年※確定申告・決算代行費用含む |
確定申告書作成税務署への申告代行 | なし | 6万5000円 |
確定申告書作成税務署への申告代行 | なし | 16万5000円 |
確定申告の費用相場は10万円〜20万円
個人事業主が税理士に確定申告(青色申告)の業務を依頼した場合、費用相場は「10万円〜20万円」程度です。
なお、上記は「確定申告のみ」を依頼した場合の費用相場であり、顧問契約をした上で確定申告を依頼した場合は、比較的安くなるケースがほとんどです。
年間売上 | 報酬相場(自分で記帳する) | 報酬相場(記帳代行を依頼) |
---|---|---|
~500万円 | 5万円~ | 10万円~ |
500万~1,000万円 | 7万円~ | 15万円~ |
1,000万~3,000万円 | 10万円~ | 20万円~ |
3,000万~5,000万円 | 15万円~ | 25万円~ |
5,000万円~ | 要相談 | 要相談 |
基本的に売上の大きさに比例して報酬も高くなりますが、これは確定申告に必要な作業の量が増えるためです。
記帳代行を含めて作業を丸投げした場合、申告業務だけを依頼した場合と比べて2倍近い費用がかかります。
ちなみに白色申告を依頼した場合は青色申告に比べて報酬額が安く、大体5~10万円が相場です。
確定申告を税理士に依頼するメリット
確定申告を税理士に依頼するメリットは以下の3つです。
- 確定申告作業の負担をなくし本業に集中できる
- 申告ミスや期日超過の心配がなくなる
- 税制上有利なルールの見逃しがなくなり節税につながる
税理士に依頼するメリットと費用面を考慮して、最終的に依頼するかを判断すると良いでしょう。
確定申告の申告期限
2024年提出、つまり「2023年分」の確定申告期限は、2月16日(金)〜3月15日(金)までです。
基本的には、毎年上記の日程で期限設定がされていますので、個人事業主の方は必ず把握しておきましょう。ただし、今後政府の方針が変更となったり、軽微な日程調整が行われたりする可能性もありますので、毎年12月頃には一度確認しておくことをおすすめします。
なお、確定申告で算出された所得税の納付も「2024年3月15日(金)」までとなっています。
年末調整の費用相場は1万円〜5万円
個人事業主が税理士に年末調整を依頼した際の費用相場は「1万円〜5万円」程度です。
年末調整の費用は、従業員数や調書関係の作成オプションなど、依頼内容に応じて変動するのが一般的です。
なお、個人事業主の方で年末調整が必要となるケースは以下の通りです。
- アルバイトやパートなどで収入があり個人事業の所得が20万円以下
- 従業員がいる
原則、個人事業主は確定申告するため、年末調整は必要ありませんが、上記に当てはまる場合は必ず年末調整を行いましょう。
消費税申告の費用相場は5万円〜10万円
個人事業主が消費税の確定申告を税理士に依頼した際の費用相場は「5万円〜10万円」程度です。
2023年10月1日から導入された「インボイス制度」にともない、新たに課税事業者となった個人事業主の方も少なくないでしょう。課税事業者は、消費税の確定申告および納税が必須となります。
消費税の確定申告は、前述にあった所得税の確定申告とは異なり、非常に複雑な計算方式が用いられています。そのため、よほど税務に詳しい方ではない限り、申告手続きに苦戦し、本業に支障をきたしてしまう恐れがあります。
本業への影響を考慮すると、税務のプロである税理士に依頼することが最善といえるでしょう。
なお、消費税の確定申告および納付期限は、適用事業年度の翌年3月31日までです。
2024年の提出(2023年分)に関しては、上記日付が日曜日にあたるため、翌日の4月1日(月)が期限となっています。
単発の税務相談の費用相場は1万円〜
顧問契約を結ばずに単発で税務相談をする場合「1時間以内で約1万円〜」が相場となります。ただし「本格的な相談」のみ有料となることが多く、簡単な相談内容であれば無料で引き受けてくれる税理士もいます。
基本的に、相談内容によって細かく料金が変わることはありませんが、一部例外もあります。例えば、税務だけではなく経営全体に関する相談をしたい場合は「コンサルティング業務」として、単なる税務相談とは別の料金体系になる場合もあります。
顧問契約の費用相場は月額1万円〜4万円
個人事業主が税理士と顧問契約を結ぶ場合の費用相場は「月額1万円〜4万円」程度であり、基本的には税理士の訪問回数と事業の売上によって決まります。
なお、顧問契約の業務範囲は主に「税務相談」や「納税申告の代理」です。記帳代行や確定申告の依頼は、オプションとして追加料金がかかる場合が多いので、契約前に料金体系を確認しておきましょう。
以下は、年間売上額をベースとした顧問料とオプションとして記帳代行・確定申告を依頼した場合の費用相場一覧です。
なお、確定申告は顧問契約を結ばずとも単発で依頼できますが、顧問契約を結んだ上で依頼したほうが費用は安く済むでしょう。
顧問契約の業務範囲と依頼するメリット
個人事業主が、税理士と顧問契約を結んだ際の具体的な業務範囲は以下の通りです。
- 税務や経営の相談
- 税金に関する申告・申請の代行
- 記帳代行
- 給与計算
それぞれの業務は単発で毎回「異なる税理士」に依頼することも可能です。とは言え、特定の税理士と顧問契約を結んで継続的にサポートしてもらうほうがメリットは大きく、事業内容や経営状態を踏まえた的確なアドバイスを受けられます。
税理士費用を左右する要素
税理士費用を左右する要素は以下の8項目です。
- 売上規模
- 業種
- 面談回数・頻度
- 担当者
- 記帳代行の有無
- インボイス対応有無
- 白色申告か青色申告か
- 電子帳簿対応
現在、税理士費用には定められたルールがなく、依頼範囲や依頼主の事業状況などによって変動するのが一般的となっています。
売上規模
年間の売上が高くなると、税務に必要な経理データが必然的に増加します。それにともない、資料作成や申告書類の作成など、税理士が請け負う作業量が多くなり、その分の費用も高くなります。
税理士費用が変動する売上規模の目安は「0円〜500万円」「500万円〜1,000万円」「1,000万円〜3,000万円」「3,000万円〜5,000万円」とされています。
もちろん、税理士によって考え方はさまざまですので、売上規模による費用の変動について、一度依頼前に確認しておくと良いでしょう。
業種
業種によっては、経理管理や税務が非常に複雑となるため、税理士の費用も左右されることがあります。つまり、複雑な税務処理を行う必要があると判断された業種は、税理士費用が比較的高めに設定されるということです。
税理士費用が高くなる業種の例としては「医療・福祉系」が挙げられます。
特殊な法令や税制が適用される業種であり、その決まりに沿った適切な会計、および税務処理をしなければなりません。
そのため、税理士にもより専門的な知識が求められ、結果、費用が高くなります。
税理士に業務を依頼する際は、自身の営む業種を詳しく説明した上で、費用を提示してもらうと良いでしょう。
面談回数・頻度
面談回数および頻度によって税理士費用は大きく左右されます。
当然、面談回数や頻度が多くなればなるほど、税理士費用は高くなるケースがほとんどです。
理由としては、税理士が依頼主のもとに出向く際の「交通費」や「拘束時間」といったリソース面が挙げられます。
また、実際の面談回数および頻度については、事前に税理士と話し合った上で決定するのが一般的です。
面談が頻繁に必要であるのか、面談回数によって費用はどれほど変動するのかなど、依頼前に確認しておくと良いでしょう。
担当者
経理業務や税務に対応する担当者によって、費用が左右されるケースがあります。
中規模以上の税理士事務所に依頼をかける場合、依頼主の事業に関するノウハウをもった税理士を指名できる場合があります。
つまりそれは「専門的な分野に強い税理士を選ぶ」ということになりますので、その分の費用が加算されます。
上記の点も含め、税理士選びというのは事業を円滑かつに進めていくための重要なポイントであり、税理士のノウハウや個人的な相性などを見極める必要があります。
記帳代行の有無
記帳代行とは、日々の収支記録を税理士に任せることであり、一般的には「オプションメニュー」として扱われています。
記帳代行を税理士に依頼することで、領収書や請求書などを日々管理する必要がなくなり、本業により集中できるというメリットがあります。
とは言え、まだ事業が小規模のうちは、そこまで経理業務に時間がかからないケースが多いため、記帳代行の費用を支払うと逆にコスパが悪くなる場合もあります。
経理に関する知識量や事業規模によって、記帳代行も依頼するかどうかを見極める必要があります。
インボイス対応有無
個人事業主がインボイスに対応しているかどうかによって税理士費用は左右されます。これは前述の「消費税の確定申告」に関係する要素です。
インボイス制度に対応するため、もしくは特定の条件に当てはまることにより課税事業者となった個人事業主は、年間を通して計算された消費税を納める必要があります。
その際、消費税の確定申告書類を作成しなければなりませんので、税理士の業務負担が増え、費用もそれに見合ったものとなります。
なお、消費税の計算は非常に複雑であり、税理士が必要不可欠です。そのため、インボイスに対応している場合は避けられない費用であると認識しておきましょう。
白色申告か青色申告か
所得税の確定申告をする際に生じる税理士費用は、白色申告の場合「5万円〜10万円」、青色申告の場合は「10万〜20万円」が相場です。
つまり、申告方法により税理士費用が左右されることになり、申告書類の作成に時間がかかる“青色申告”のほうが高くなります。
とは言え、上記の相場は目安金額であり、前述の「売上規模」や「記帳代行の有無」などによって実際の費用は変動します。
電子帳簿対応
税理士に依頼する前の段階で会計ソフトを導入し、電子帳簿の作成を行っているかどうかで、税理士費用が左右されるケースもあります。
電子帳簿とは、国税庁が推進する「電子帳簿等保存制度」にならった記帳方法ことです。現在、全ての経理書類や税務書類が電子化される動きになってきていますので、電子帳簿への対応は必須となるでしょう。
そこで、税理士に業務を依頼した際、電子帳簿に対応していないと、税理士側から「リース料」として、新たに会計ソフトの導入費が発生します。
事前に電子帳簿に対応しておくと、現行の会計ソフトを税理士に引き継げる可能性もあるため、その場合は税理士費用が抑えられるといえるでしょう。
個人事業主の税理士費用は経費になる
個人事業主の税理士費用は経費として計上可能であり、事業の年間売上高から差し引くことができるので「所得税」を抑えられます。ちなみに、税理士費用を経費として計上する際の勘定科目は「支払手数料」や「業務委託費」、「管理諸費」などが用いられます。
ただし、個人的な相続税といったような「事業とは関係のない税務」を税理士に依頼した場合は、経費としては計上できないので注意が必要です。あくまでも、個人事業主として展開している「事業に関する税理士費用」が経費になるという認識をもっておきましょう。
個人事業主が税理士と契約したほうがよいタイミング
個人事業主が税理士と契約したほうがよいタイミングは以下の4つです。
- 起業するとき
- 年間の売上が1000万円を超えるとき
- 帳簿の仕訳が多いとき
- 法人化するとき
- 事業が忙しく会計処理をする時間がないとき
法人とは違い、個人事業主の場合は、税理士と契約せずに自分で税務処理を行うことも少なくありません。売上があまり多くないうちは、税理士費用をかけるよりも自力で税務処理をしたほうがコスパが高いという考え方もあります。
とは言え、事業が大きくなってくると、税理士に業務を外注したほうがうまくいくケースも多々ありますので、以下でそれぞれのタイミングについて詳しく見ていきましょう。
起業するとき
起業、つまり個人事業主として開業届を提出するタイミングで税理士と契約すれば、多くのメリットが得られると言えます。特に、経理や財務に関するノウハウがないという方にはおすすめのタイミングです。
業種にもよりますが、起業すると「資金調達」や「経営面」に関して頭を悩ます場面が出てきます。そのような時、あらかじめ税理士がいると、プロならではのさまざまな知見や経験を活かしたアドバイスを受けられ、スムーズに事業を進めていくことが可能になります。
また、納税の際に有利となる「申告書類作成」や「税務アドバイス」も適宜行ってくれるため、個人事業主として不利な立ち回りをしなくて済むでしょう。
駆け出しの個人事業主は、実務を行う立場と経営を考える立場との両輪で動く必要があるため、税理士の存在は非常に大きな支えとなります。
年間の売上が1,000万円を超えるとき
年間の売り上げが1,000万円を超えると、消費税の課税対象者になります。消費税の免税事業者だった頃と比べると、消費税にまつわる複雑な税務処理が一気に増え、個人事業主の大きな負担となります。
そのため、年間売上高が1,000万円を超える個人事業主の方は、税理士と契約を結んで税務処理を外注するケースがほとんどです。
帳簿の仕訳が多いとき
事業の内容によっては、帳簿の仕訳数が非常に多くなってしまいます。例えば、飲食・理容美容などでは仕訳数が多く、帳簿付けが煩雑になりがちです。このように、月々の仕訳件数が多い場合、手間を省くために税理士に依頼すると良いでしょう。
法人化するとき
売上が増加すると、納税額を減らしたり消費税の免税期間を延長したりするために、法人化を検討する個人事業主も多い傾向にあります。
法人化すると節税面でメリットがある一方、税務処理はより複雑になります。素人が一人で法人の税務をすべてこなすのは困難であるため、法人化するときが税理士と顧問契約するタイミングであると言えます。
事業が忙しく会計処理をする時間がないとき
税理士と契約するタイミングは、本業の忙しさを基準に判断するという手もあります。事業規模にかかわらず、事業をする上で会計処理の負担が大きいなら税理士に外注すると良いでしょう。
時間に余裕ができて、事業にもっと集中できるようになれば、税理士にかける費用以上の利益を得られる可能性は十分にあります。
本業が忙しくて仕訳をする時間がない、会計が苦手で悩みの種になっている個人事業主の方は、一度税理士に相談するのが良いでしょう。
税理士費用を安くおさえるコツ
個人事業主が税理士費用を安くおさえるコツは以下の5つです。
- 報酬に対してサービスが適切か見極める
- 追加料金の有無を確認する
- 記帳を自分で行う
- 税理士の交通費を抑える
- 簡単な内容なら税務署に無料で相談する
税理士に税務を頼むときに、できるだけ安い費用で依頼したいというのは誰もが考えることでしょう。もちろん、料金表を比較してより安価で依頼を受けてくれる税理士を選ぶという方法もありますが、上記のコツを把握しておくことで、より安く費用をおさえられる可能性があります。
報酬に対してサービスが適切か見極める
税理士に支払う報酬に対して、受けられるサービス内容が適切かを見極めることができれば、余計な税理士費用をカットして安くできる可能性があります。
サービスが適切かを見極める方法でおすすめなのが「複数の税理士に見積もりをとる」ことです。
相見積もりをとることで、具体的な金額やサービス内容をそれぞれ比較でき、報酬に見合った適切なサービスかを見極められます。
「ミツモア」は、簡単かつスピーディーに複数の税理士から見積もりをとることができ、面倒に感じる連絡作業を一切せずに済みます。
実際に見積もりをとったあとで、詳細をもっと知りたいという方は、チャットで税理士と連絡をとれる機能もありますので、安心して最終決定することが可能です。
追加料金の有無を確認する
税理士に対して、月額や年額で支払う費用とは別に、追加料金が発生する場合もあり、事前に確認しておくと費用を安くおさえられる可能性があります。
それには、定額費用に含まれている業務範囲を事前にはっきりさせておく必要があります。事前に料金と業務内容を把握しておくことで、トータルコストが計算しやすくなり、現状に適した税理士費用で依頼ができると言えます。
記帳を自分で行う
確定申告を税理士に依頼する場合、記帳作業を自分で行えば、目安として5万円~10万円も費用が安くなります。
最近では、使い勝手の良い便利なクラウド型の会計ソフトも登場しています。記帳をこうした会計ソフトで行うと、確定申告の書類も簡単に作成できます。仕訳数がそれほど多くない場合は、記帳を自分で行うことも検討してみてください。
税理士の交通費を抑える
自分で依頼先の税理士事務所に足を運ぶようにすれば、税理士の交通費が浮いた分、料金を下げてくれる可能性があります。一度、値下げの相談をしてみるのが良いでしょう。
また、顧問契約の場合、面談の回数が多いほど税理士費用が高くなります。月に1度の訪問と3カ月に1度の訪問では、目安として顧問料に月額5,000円の差があります。相談したい内容がそこまで多くなければ、訪問回数を減らすことでも費用を安くすることができます。
簡単な内容なら税務署に無料で相談する
税理士に仕事を依頼する理由として「税務に関する色々なアドバイスを受けたい」と考えている方も多いでしょう。実は、一般的な内容であれば税務署でも無料でアドバイスを受けることができます。あまり複雑ではない内容なら、税務署に相談することで、税理士費用が節約できます。
個人事業主が優良な税理士を探す方法
結論、複数の税理士から見積もりをとり、比較検討することが、優良な税理士を探すおすすめの方法です。個人事業主の方が初めて税理士に依頼する際はなおさらであり、複数の税理士を比較しなければ見えてこない部分も多々あります。
しかし、電話やネット検索などで問い合わせし、相見積もりをとろうとするとかなりの時間がかかってしまうため、面倒に感じる個人事業主の方がほとんどでしょう。
そのような場合でも「ミツモア」であれば、2分間の簡単操作で複数の税理士に見積もり依頼が完了します。
もちろん、現状の税理士に不満を抱えている個人事業主の方でも利用できるサービスですので、改めて優良な税理士を探す方法としても活用可能です。
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